米秘密裁判所、NSAに193か国の情報収集を許可か 米紙報道
このニュースをシェア
【7月1日 AFP】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は6月30日、同紙が入手した極秘文書からの情報として、米国家安全保障局(National Security Agency、NSA)が、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの4か国を除く全ての国の「関連情報」を収集する許可を、秘密裁判所から得ていたと報じた。
同紙は、「秘密指定されていた2010年の法的証明書やその他の文書によると、NSAは従来知られていたよりはるかに自由度の高い権限を与えられ、海外の情報収集対象が行う通信だけではなく、そのような対象についての通信の傍受も米企業を通じて行うことが認められていた」と伝えている。
この証明書は、秘密裁判所である外国情報活動監視裁判所(Foreign Intelligence Surveillance Court、FISC)が承認したもので、NSAのエドワード・スノーデン(Edward Snowden)元職員が流出させた文書に含まれていた。
証明書は193か国を「米情報機関の正当な関心国」としていたほか、NSAに世界銀行(World Bank)、国際通貨基金(International Monetary Fund、IMF)、欧州連合(EU)、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency、IAEA)などを対象にした情報収集も認めていたという。
米国自由人権協会(American Civil Liberties Union、ACLU)のジャミール・ジャファー(Jameel Jaffer)副法務ディレクターは同紙に対し、「これらの文書は政府の情報収集活動が及び得る範囲と、(外国情報活動監視)裁判所が情報収集活動の監督において極めて限定的な役割しか果たしていないことを示している」と述べた。
ただしワシントン・ポストの記事は、NSAには世界のほぼ全ての国を対象にした情報収集の許可が出されていたものの、その全てで実際に情報収集が実施されたとは限らないと強調している。(c)AFP