【7月1日 AFP】】サッカー米国代表のユルゲン・クリンスマン(Jurgen Klinsmann)監督は30日、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)決勝トーナメント1回戦のベルギーとの試合を、アルジェリア人審判のジャメル・ヘムディ(Djamel Haimoudi)氏が担当することについて、その正当性に疑問を投げかけた。

 ドイツ出身のクリンスマン監督は、サルバドール(Salvador)で行われる1日の試合前日に開かれた記者会見で、「このアルジェリア人の主審は、ピッチ上で相手(ベルギー)の選手たちとフランス語で会話できるが、 われわれとは話せない」と述べた。

 2011年に前任のボブ・ブラッドリー(Bob Bradley)氏の後を引き継いだクリンスマン監督はまた、当時はまだ指揮を執っていなかった2010年の南アフリカ大会(2010 World Cup)を引き合いに出し、「アルジェリアは、前回大会で米国が終了間際の劇的ゴールで勝利した相手だ」とつけ加えた。

「国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football AssociationFIFA)が適材適所に審判を選出するのは難しいということは分かっているし、FIFAにとっては常に頭痛の種だろう。そう受け取るしかない」

「われわれとしては状況を好意的に捉え、FIFAの決断を尊重する。すべてが順調に行われることを願う」

 一方、対戦相手であるベルギーのマルク・ヴィルモッツ(Marc Wilmots)監督は、クリンスマン監督の不安にわずかに同情を示した。

 45歳のヴィルモッツ監督は、「われわれも今回の指名には不満だ。なぜなら、アルジェリアはグループリーグで負かした相手だからだ」と述べた。

「こういう状況下での試合は避けたいものだ。ともかく審判と話したくはない」

「全体的に、この大会の審判は立派に仕事をしていると思う。ブラジル対チリの決勝トーナメント1回戦で主審を務めたハワード・ウェブ(Howard Webb)氏も素晴らしかった」

 43歳のヘムディ主審は、オランダが3-2でオーストラリアを下した6月18日の試合と、その6日後にコスタリカが0-0でイングランドと引き分けた試合も担当している。

 クリンスマン監督は、「心配には及ばないことを願う」とコメントした。

「ヘムディ氏が既に立派に2試合を担当したことは知っているから、明日もそうであることを願っている」

(c)AFP