【7月1日 AFP】インド南部チェンナイ(Chennai)近郊で先月28日に起きた建設中の11階建て住宅ビル崩壊事故は、1日までに20人の死亡が確認された。現在も、がれきの下に数十人が埋もれているとみられ、救援隊員400人以上が夜を徹しての救出作業を続けている。崩壊の原因は欠陥工事だった疑いが出ている。

 地元のタミルナド(Tamil Nadu)州警察は6月30日、AFPの電話取材に、これまでに43人が救出されたが、うち20人は死亡したと語った。まだ30人ほどが埋もれたままとみられるが、正確な人数は不明だという。

 また、事故との関連で建設業者とその息子、住宅棟の設計者、工事監督者3人の計6人が業務上過失の容疑で逮捕されたという。

 報道によると、30日朝、35歳の女性建設作業員を含む2人が救助された。インドPTI通信(Press Trust of India)通信は病院関係者の話として、この女性作業員は頭部を負傷していると伝えた。この他に男性作業員1人も病院で治療を受けている。

 警察幹部はビルは「トランプの山のように崩れた」と説明した。また、がれきの除去を急げば、まだ中にいる人たちを傷つける恐れがあり救出作業は困難を極めていると述べた。

 救出作業は3日目に入ったが、がれきの下からは、まだ人の声が聞こえるという。夜間には雨が降ったが気温は40度と高く、生存者の消耗が懸念される。

 29日夜に現場を訪れたタミルナド州のジャヤラリタ・ジャヤラム(Jayalalithaa Jayaram)州首相は、これまでの捜査結果から崩壊事故は工事に問題があった可能性があるとの見方を示した。認可された施工計画に不備はなかったが、建設業者が施工計画に準じていなかったようだという。同州首相は現段階で断言はできないとしつつ、構造に重大な欠陥があったとみられると語った。(c)AFP/Pamposh RAINA