【6月30日 AFP】KLMオランダ航空は29日、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の決勝トーナメントでオランダがメキシコを破った後にツイッター(Twitter)に投稿し、ユーザーからの激しい反発を生んでいたソンブレロ(メキシコの帽子)と口ひげのマークの画像を削除した。

 問題の写真は、オランダが2-1でメキシコを下して準々決勝進出を決めた直後に掲載されたもので、空港の「出国」サインの脇にソンブレロと口ひげにセラーペ(中南米の男性が用いる肩掛け)を組み合わせたマークが写されている。さらに画像には、「アディオス、アミーゴ」(スペイン語で「さらば、友よ」)とのコメントが添えられていた。

 画像はソーシャルメディア上で即座に「人種差別だ」などとの激しい批判の声を生んだ。映画『バベル(Babel)』や『モーターサイクル・ダイアリーズ(Motorcycle Diaries)』への出演で知られ、ツイッターで200万人のフォロワーを持つメキシコ人俳優ガエル・ガルシア・ベルナル(Gael Garcia Bernal)さんは「こんないまいましい航空会社の飛行機には、二度と乗らない」と投稿した。

 あるユーザーは、「いかにもオランダらしいツイートだ。ユーモアと傲慢さを取り違えている」と批判。また別のユーザーは「さっさと南米からの帰り支度をしておけ、奴隷商人め」と、怒りをあらわにした。

 その一方で、「(KLMのツイートは)正しいことではないが、多くの映画で、メキシコ人はああいう風に描かれている。それと、さほど変わらないのでは」といった比較的冷静な反応もあった。

 またメキシコの国営航空、アエロメヒコ(AeroMexico)はKLMに対抗し、空港の「到着」サインの写真とともに、「私たちは誇りをもって、あなた方の帰国を歓迎します」とメキシコ代表をたたえるツイートを掲載した。(c)AFP