アジア各国でラマダン入り、W杯熱への影響は?
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【6月29日 AFP】アジアに住む大半のイスラム教徒は29日、ラマダン(断食月)に入った。インドネシアではイスラム強硬派が、アルコール飲料を提供する「罪深い」バーなどを襲撃すると脅したが、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)を観戦しようとナイトスポットに向かうサッカーファンの足を止めることはできなかった。
世界中の敬虔(けいけん)なムスリム(イスラム教徒)はラマダンの期間中、夜明けから日没まで飲食を絶ち、信仰心をさらに高めようと努める。アジアでは約2億2500万人の世界最多のムスリム人口を擁するインドネシアや紛争が続くアフガニスタンのほか、マレーシア、スリランカ、フィリピンなどでラマダンが始まった。ラマダンが終わると、断食明けを祝う「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」が待っている。
インドネシアのイスラム強硬派は、イスラム法によってムスリムは飲んではならないとされているアルコール飲料を販売したり、深夜まで営業を続けたりしているバーなどを襲撃すると宣言。当局は夜間営業する飲食店などに対し、ラマダン中は通常より早く閉店するよう指示した。
しかし、国民の大半が穏健なイスラム教徒で熱狂的なサッカーファンが多いインドネシアでは、多くの人が最新の試合を見ようとナイトスポットに足を運んだ。28日深夜から29日未明まで営業を続けたジャカルタ(Jakarta)のバーは地元の住民や外国人駐在員であふれていた。
先の読めない展開が続いたブラジル対チリ戦を南米料理のレストランバーで観戦した22歳の学生は、「断食しても、W杯の試合を見ようという僕の情熱は変わらないよ」と話した。(c)AFP/Stefanus Ian