【6月29日 AFP】サッカーオランダ代表のルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)監督は28日、メキシコとのW杯ブラジル大会(2014 World Cup)決勝トーナメント1回戦で試合中に給水タイムを設けるよう、ペドロ・プロエンサ(Pedro Proenca)主審に要望した。

 29日にフォルタレーザ(Fortaleza)で行われる試合は、キックオフが予定されている現地時間午後1時には30度に達し、湿度も非常に高くなるとみられており、両チームの選手の消耗が予想されている。

 大会終了後にイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の指揮官に就任するファン・ハール監督は、「給水の時間を取ってほしい。そうでなければ、われわれは選手のためにピッチのあちこちにドリンクのボトルを置くことになる」と語った。

「練習で選手に脱水症状の兆候があった。全員ではないが、試合では体重を4キログラム落とす選手も出るだろう。できる限り選手の水分を維持しなければならない。主審には賢明なやり方で試合を裁いてほしい」

 ファン・ハール監督また、今大会では中南米勢のパフォーマンスが、欧州勢を上回る試合が多くみられることから、高温多湿はメキシコ有利にはたらくとの見解を示している。

 ファン・ハール監督は、「それ(高温多湿がメキシコ有利にはたらくこと)はわれわれが選手をできる限りよい状態でいさせたいと考える理由だ。気候はメキシコにも影響を与えることを十分理解しているが、彼らはわれわれよりそれに慣れている」と語っている。

 グループリーグ最終戦でチリに2-0で勝利したオランダは、欧州勢が南米勢から挙げた数少ない勝利の1つを手にしており、3戦3勝のグループ首位で決勝トーナメントに進んだ。

 エル・トリ(メキシコの愛称)との試合でもチリ戦のような結果が出ることを期待しているファン・ハール監督は、メキシコにはチリのアレクシス・サンチェス(Alexis Sanchez)やアルトゥーロ・ビダル(Arturo Vidal)のようなトップクラスの選手がいないことは認めている。

「メキシコはチリと比較可能だと思う。違いとしては、チリには2人の素晴らしい選手がいたことだ。ビダルが試合に出なかったことは、言うまでもなくわれわれにとって大きなアドバンテージになった」

「しかし、チーム全体で考えるとメキシコはチリより優れている。彼らは彼らの資質や技術に準じてプレーし、勝利に対する素晴らしい意欲がある。メキシコはこれまでのなかで最も決意に満ちたチームだ」

 オランダは、累積警告でチリ戦を欠場した主将のロビン・ファン・ペルシー(Robin Van Persie)が戻ってくるが、24日の練習中にハムストリングを負傷したレロイ・フェル(Leroy Fer)は欠場が見込まれている。

 ファン・ハール監督は、18日のオーストラリア戦で負傷したDFのブルーノ・マルティンス・インディ(Bruno Martins Indi)が練習に復帰したばかりだとしてメキシコ戦の先発を外れることを明らかにし、代わりにFWのディルク・カイト(Dirk Kuyt)が不慣れな左サイドバックで出場することを示唆している。(c)AFP/Kieran CANNING