【6月29日 AFP】モナコ大公宮殿(Monaco's Palace) に併設されている歴史博物館が今年11月、所蔵するフランス皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleon Bonaparte)ゆかりの品々を競売にかけることが分かった。専門家らは、ナポレオンの時代に関心のある人たちにとっては「世紀のオークション」になると話している。

 競売の計画が伝えられたことを受け、仏競売会社オズナ(Osenat)は26日、今年11月15、16の両日にパリ(Paris)近郊のフォンテーヌブロー(Fontainebleau)でオークションが行われる予定であることを明らかにした。

 手書きの原稿や絵画、武器などをはじめとする1000点近い収蔵品の大半は、20世紀初頭にモナコのルイ2世(Louis II)が収集したもの。

 そのうちの1つ、ナポレオンが伊・エルバ(Elba)島に幽閉されていた当時愛用していた黒いフェルト製のコックドハット(二角帽子)は、30万~40万ユーロ(約4150万円~5500万円)の価値があるとされている。

 オークションに出品されるその他の所蔵品の中には、ナポレオンと同時代に生きた他国の貴族らの愛用品も含まれる。ロシア皇帝アレクサンドル2世(Alexander II)が所有していた金とダイヤモンドがちりばめられた剣は、60万ユーロ~80万ユーロ(約8300万円~1億1000万円)相当の価値になるとみられる。

 一方、専門家らがAFPに語ったところによると、今回の競売は全ての人が歓迎するものではないという。

 ナポレオンの時代の品々を専門とする鑑定家の団体、「リメンバリング・ナポレオン(Remembering Napoleon、ナポレオンを忘れない)」の代表は、「大公宮殿の博物館が所蔵する品々が各地に分散してしまうのは残念だ。フランスの博物館が一部を買い取ろうとするだろうが、十分な資金があるのか分からない」と話している。(c)AFP