【6月27日 AFP】中国と韓国の両政府は27日、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が7月3日から2日間の日程で韓国を公式訪問すると発表した。習氏が国家主席就任後に韓国を訪れるのは初めて。

 中国は北朝鮮の主要同盟国であり、エネルギーを供給し国際社会でも北朝鮮の保護役を担ってきた。両国は朝鮮戦争時に強固な関係を確立。また中国にとって北朝鮮は、韓国に駐留する米軍との緩衝(バッファー)帯ともなっている。

 一方、中国と韓国は東西冷戦(Cold War)中の数十年は対立関係にあり、国交を樹立したのは、1992年になってから。

 習主席の訪韓について、韓国の大統領府(青瓦台、Blue House)は、朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領と習主席は「北朝鮮の核問題を含めて、朝鮮半島の現状に関する問題に中韓がどのように協力していくか」を協議する見込みだと発表した。

 また、中国外務省の秦剛(Qin Gang)報道局長は記者会見で、両首脳は「共通の懸念事項」を話し合うと語った。

 韓国の朴大統領は、昨年の大統領就任後間もなく中国を訪問しており、習主席と朴大統領による7月の中韓首脳会談は2回目となる。

 これとは対照的に、中朝の首脳会談は、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の父親の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が死去した2011年12月以降、一度も行われていない。

 習主席の訪韓発表に先立ち、韓国の東亜日報(Dong-A Ilbo)は、習主席が訪韓すれば北朝鮮に対する「強い重みを持ったメッセージとなる」との見解を社説で述べていた。

 韓国の延世大学(Yonsei University)で中国を専門とするジョン・ドルーリー(John Delury)氏はAFPの取材に、「習主席と朴大統領が非常に近しい関係を公に築いていることは、かなり意味深い」と語った。(c)AFP/Kelly OLSEN