【6月27日 AFP】史上最年少の単独世界一周飛行を目指して5月31日に米サンディエゴ(San Diego)から飛び立った19歳の米国人男性が26日未明、インドに到達した。

 インド西部マハラシュトラ(Maharashtra)州のナグプール(Nagpur)に米航空機メーカーのビーチクラフト(Beechcraft)の単発機「A36ボナンザ(A36 Bonanza)」で降り立ったのは、米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)の学生マット・ガスミラー(Matt Guthmiller)さん。到着後、笑顔で親指を立ててみせた。

 ガスミラーさんはAFPの電話取材に「おおむね良好だ。楽しんでいるよ。これまで、とても興味深い場所を訪れている。小さな問題も少々あったけど、全体的には楽めている」と語った。

 眼鏡をかけた青年は、総距離約4万6700キロ、14か国25地点に立ち寄り、7月8日に米カリフォルニア(California)州に着陸する予定だ。

 現在のギネス世界記録(Guinness World Records)は、オーストラリアのライアン・キャンベル(Ryan Campbell)さんが持つ、19歳と7か月25日。ガスミラーさんが7月8日にカリフォルニアに戻ることができれば、キャンベルさんよりも16日若く世界一周飛行を終え、新記録を打ち立てることができる。

 これまでの総飛行時間はすでに500時間に達している。ガスミラーさんは北米を横断、欧州、地中海を越え、エジプトを通過し、ペルシャ湾を飛んだ。ひとつ前の経由地アラブ首長国連邦のアブダビ(Abu Dhabi)では、航空機用の燃料ではなくエンジンオイルを渡されたというが、最終的に問題は解決し、無事ナグプールに到着した。

 この先の着陸予定地は、マレーシアのクアラルンプール(Kuala Lumpur)、タイのバンコク(Bangkok)、フィリピン、オーストラリア、サモアと続く。これからは天候が手ごわい存在になるとガスミラーさんは考えており、「モンスーンが問題になりかねない地域に向かう。離陸した時点から天候が急変する可能性もある」と述べている。

 ガスミラーさんはスポンサーを通じて資金集めを行っており、その収益は、情報科学とプログラミングの学校教育への組み込みを推進する非営利団体「Code.org」に全額寄付する考えだ。

「目標は25万ドル(約2500万円)。旅費は約14万5000ドル(約1500万円)なのでCode.orgに10万5000ドル(約1100万円)くらい寄付できればいいと思っている」と、ガスミラーさんは語った。(c)AFP