【6月27日 AFP】仏上院は26日、国内の小型書店を保護する措置として、米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)などのインターネット小売り大手が値引きした書籍を無料配送することを禁じる法案を可決した。

 下院でもすでに全会一致で可決されていた同法案は、今後2週間以内にフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領が署名して成立する見通し。

 可決された法案は、アマゾンなどオンライン小売り大手に書籍の無料配送を禁止する内容。一方、書籍の販売価格は、既存の法律に従ってこれまで通り、最大で5%までの割引が認められる。

 1981年に仏政府は小型書店を保護するため、出版社に書籍の標準小売価格の設定を義務付け、割引幅の上限を5%と定めていた。

 オレリー・フィリペティ(Aurelie Filippetti)文化・通信相は「わが国の書籍に対する深い愛着」を表す決定だと述べ、法案の可決を歓迎した。

 フランスが誇りとする「世界でも類を見ない」書店ネットワークは、小さな街にも文化を届ける生命線になっている。こうした書店は英国では1000店しかないのに比べ、フランスには約3500店もあり、うち600~800店は出版社やチェーンストア、スーパーマーケットなどに属さない、いわゆる独立系書店となっている。(c)AFP