ネアンデルタール人は野菜も食べていた、排せつ物から特定 研究
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【6月30日 AFP】ネアンデルタール人(Neanderthal)が肉だけでなく野菜も食べていたことが、スペインで発見されたネアンデルタール人の排せつ物の分析で分かったとの研究が25日、米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に掲載された。
研究に用いられた排せつ物は、ネアンデルタール人が約4万5000~6万年前に暮らしていたとされるスペインの発掘現場「El Salt」で発見された。これまでに見つかっているネアンデルタール人の排せつ物としては最古のもので、ネアンデルタール人の食べていた物を特定するために初めて分析が行われた。
研究チームは、米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology、MIT)の研究所で排せつ物をパウダー状に砕いて分析。特に肉を食べてコレステロールが代謝される際に作られる脂質の痕跡が発見されたほか、植物が消化される過程で作られる物質5ベータ-スチグマスタノール(5β-stigmastanol)が見つかった。
分析の結果、ネアンデルタール人は従来の想定通り基本的に肉を食べていたものの、一方で地下茎や液果、ナッツなどの植物を相当量食べていたことが分かった。
「おそらくネアンデルタール人は、さまざまな環境や季節、気候の中、入手可能なものを食べていたのだろう」と、研究を行ったアイナラ・システィアガ(Ainara Sistiaga)氏は述べた。
ネアンデルタール人は約3万5000年前に絶滅したとされているが、さまざまな種類の食物を食べることのできる能力はネアンデルタール人の生存を助けただろう、と論文の共同執筆者ロジャー・サモンズ(Roger Summons)氏は指摘した。(c)AFP