【6月26日 AFP】南アフリカの「プラチナベルト」と呼ばれる鉱山帯で25日、世界的なプラチナ生産大手数社との賃金交渉の妥結を受け、約5か月に及ぶストライキを終えた作業員数千人が戻ってきた。

 アングロ・アメリカン・プラチナム(Anglo America PlatinumAmplats)とインパラ・プラチナム(Impala Platinum)、ロンニン(Lonmin)の3社の作業員らは、同日午前5時(日本時間正午)ごろから、ルステンブルク(Rustenburg)郊外にある鉱山で約5か月ぶりに操業を再開した。しかし本格稼働までにはまだ数週間かかる見通しだという。

 鉱山ストとしては同国史上最長となった今回の労使交渉期間中に、企業側は3社合計で240億ランド(約2300億円)、作業員の賃金では総額106億ランド(約1020億円)をそれぞれ損失したとしている。

 24日に調印された3年契約で、鉱山労働者・建設組合連合(Association of Mineworkers and Construction UnionAMCU)側は、全組合員の基本給を1万2500ランド(約12万円)まで引き上げるという目標は達成できなかったものの、ストライキについては成功との見方を示した。

 2014年第1四半期の同国経済をマイナス成長に導いたストの終結を政府および産業界は歓迎しているが、メディアは今後危惧される問題について警告している。

 同国経済紙ビジネス・デー(Business Day)は論説で、「今回の交渉で達成されたものは一時的な猶予でしかない」とし、3年後に同じ景気低迷を繰り返さないためにも、争議を通じて生まれたこの猶予期間を鉱業界全体の構造改革に生かすべきであり、「他の部門が今回のプラチナ鉱山ストで得られた成果に続こうとするなら、(3年を待たず)より早く動かなければならない」と指摘した。(c)AFP/Sibongile KHUMALO