躍進のベルギー代表、1986年大会の再現に期待膨らむ
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【6月27日 AFP】W杯ブラジル大会(2014 World Cup)でまだ2試合を終えた段階ながら、今回のベルギー代表は「86年組」の再現を見せてくれるかもしれない。――ベルギーのサッカーファンは、すでにそんな夢を抱いている。
メキシコで行われた1986年大会で、ベルギー代表は才能あふれるエンツォ・シーフォ(Enzo Scifo)にけん引され、ベスト4に進出した。ベルギーが敗れたのは天才ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)を擁するアルゼンチンで、最終的にアルゼンチンは大会を制している。
今回、才能ある若手とさまざまな出自を持つ選手が集まったベルギー代表は、1試合を残してすでにグループリーグ突破を決めている。
さらにアレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)で行われる韓国との最終戦で勝ち点1を獲得すれば、グループ首位が確定となり、決勝トーナメント1回戦でドイツとの対戦を避けられる可能性が高い。韓国がアルジェリア相手に4点を奪われて敗れたことを考えれば、これはエベレスト(Everest)登頂にはほど遠い難易度の目標だ。
ここまで2連勝でグループ突破を決めていることを受け、ベルギー国内では1986年大会の快挙を再現できると考える人が増えている。
シーフォ氏は「6年後までに、この才能あるチームが主要大会のベスト4に入れなければ、それは完全な失敗だということになるだろうね」と語っている。
しかし、現在の赤い悪魔(ベルギー代表の愛称)を率いるマルク・ヴィルモッツ(Marc Wilmots)監督が、こうした言葉に怖気づくことはもちろんない。ヴィルモッツ監督は、チームは最高の状態にあり、現メンバーの多くが生まれてもいなかった世代の記憶に匹敵するものを、この大会で残せると感じている。
事実、ブラジル大会に出場するベルギー代表23人のうち、1986年以前の生まれの選手は5人しかおらず、メキシコ大会以前に1歳の誕生日を迎えていた選手はさらに少ない。
ヴィルモッツ監督も「1986年のメキシコ大会の結果は素晴らしいが、今度はわれわれの番だ。選手にはそう話した」と語った。
「本を置いて、自分たちの歴史をつづる時が来た」
歴史を塗り替えるため、多くの人がチームをけん引する役割を期待しているのがエデン・アザール(Eden Hazard)だ。本人はここまで絶好調というわけではないと話しているが、それでもアザールは2試合で決勝点に絡んでいる。
そのアザールも、選手たちは期待という重圧を背負う覚悟ができていると語る。
「少し重圧はある。期待は大きいけど、僕らはそれにつぶされてはならない。ファンは1986年の代表チームを上回ることを期待してるけれど、それで結果が保証されるわけじゃない」