【6月26日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)はこのたび、ハイチ沖の海域で発見された沈没船の調査を行うため調査隊の派遣を発表した。この船については、クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)が初めてアメリカ大陸に到達した際に乗船していた旗艦「サンタマリア(Santa Maria)号」とみられると5月に発表されたばかりだ。

 500年以上前に沈没したとされる船が見つかったのは、ハイチ北部のカパイシャン(Cap-Haitien)沖。ここはコロンブスが座礁について説明していた海域とされる。

 ハイチ当局はこれより前、沈没船からの略奪の恐れがあるとして、専門家による調査を要請する書簡をユネスコに送っていた。

 ユネスコのイリナ・ボコバ(Irina Bokova)事務局長は、「海中の遺産略奪」への懸念を表明し、「われわれは海底の文化的遺産の不正取引と闘う政府当局を支持する」としながら、各国に対してハイチへの支援を要請した。

 米の海底探検家、バリー・クリフォード(Barry Clifford)氏は5月、見つかった船の残骸が、コロンブスが最初に大西洋を横断した際に率いた3隻のうちの1隻であると発表。1492年12月24日にハイチ北部沿岸で座礁、翌日に沈没したと述べていた。

 同船については、クリフォード氏のチームほか、複数の調査チームが2003年に調査を行っている。この時、15世紀のものとみられる大砲を確認しているが、大砲はその後、何者かによって持ち去られている。(c)AFP