【6月25日 AFP】シンガポールのリー・シェンロン(Lee Hsien Loong)首相は24日、日本に対し、繰り返し歴史問題が浮上することでアジア域内の関係が損なわれているとし、第2次世界大戦の歴史のページをめくるよう呼び掛けた。

 中国と韓国は、保守派の安倍晋三(Shinzo Abe)首相の歴史観について、これまで声高に批判を展開しているが、シンガポールのリー首相は問題の克服を願っている日本の同盟国として、これに向き合っていると語った。


 この日、米首都ワシントン(Washington D.C.)にある大手シンクタンク「外交問題評議会(Council on Foreign Relations)」を訪れたリー首相は「第2次大戦を過去のものとし、慰安婦問題や日本による侵略、戦時中の悪事の有無などに関する論争を蒸し返し続けることをやめない限り、この問題は今後も傷として痛み続けると思う」と述べた。

 日本は1942年にシンガポールを占領。これは英国軍にとって、それまでで過去最大の降伏だった。シンガポールの歴史家によれば、1945年に日本が降伏するまでにシンガポールで日本軍によって殺害された中国系住民は約5万人に上る。

 こうした暗い歴史の存在にもかかわらず、日本はシンガポールをはじめとする東南アジア各国と友好な関係を築いてきた。(c)AFP