【6月25日 AFP】東京を訪れたフィリピンのベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)大統領と安倍晋三(Shinzo Abe)首相は24日、首脳会談を行った。日本とフィリピンは近年、それぞれの国が抱える中国との係争への対策として、二国間関係を強めている。

 日本とフィリピンはいずれも、中国との間で領有権が問題になっている。首脳会談後の共同記者会見でアキノ大統領と安倍首相は、地域の紛争を解決するための手段として「法の支配」の重要性を強調。海洋進出を活発化させている中国への対抗措置として、近隣諸国が連携を強化していることが改めて示された。

■広島でミンダナオ和平構築の国際会議

 アキノ大統領は同日、広島へ移動し、フィリピン南部で数十年続いているイスラム反政府運動をめぐる国際会議に出席した。

 同会議は、ミンダナオ(Mindanao)島を拠点とする主要反政府勢力「モロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation FrontMILF)」と政府が今年調印した和平協定をめぐり、今後の取り組みについて双方が話し合う場として設けられた。

 日本で2011年にアキノ大統領とMILF指導者のムラド・エブラヒム(Murad Ebrahim)議長の極秘会談が行われ、これが和平交渉の転換点となったとされている。安倍首相は会見で、平和維持のために日本が継続して支援を行うことを表明した。(c)AFP