【6月25日 AFP】ナイジェリア北東部で女性60人以上がイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」とみられる集団に拉致されたことが分かった。女性の年齢は子供から大人までさまざまで、3~12歳の子供も含まれるという。ナイジェリアでは今年4月14日に、学校にいた200人以上の少女がボコ・ハラムに拉致されている。

 今回の拉致事件が発生したのはナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州ダンボア(Damboa)地区のクンマブザ(Kummabza)村。村は19日から襲撃を受け、その際に女性たちは拉致され、村人は家を捨てて逃げ出したという。

 地元の自警団のリーダーは、逃げようとした村人4人がその場で射殺されたと語った。ボルノ州の州都マイドゥグリ(Maiduguri)に避難した別の住民は、村の男性30人以上が殺害され、村全体が3日間にわたって武装勢力に支配されたと語った。

 60キロほど南のアスキラ・ウバ(Askira Uba)地区の3つの村も先週末に襲撃された。住民の1人は「多数」が死亡したと話しているが、公式な死傷者数は明らかになっていない。

 専門家たちはボコ・ハラムが国内で収監されている仲間を解放させるために事件を起こした可能性があると指摘している。

 ボコ・ハラムは現在も拘束している219人の女子生徒を、ナイジェリアの刑務所などに収監されている仲間と交換する形で解放する用意があるとほのめかしている。ナイジェリア政府は当初、一切の取引を拒否していたが、その後は女子生徒と収監者の交換について話し合うことも含め、ボコ・ハラムとの交渉の開始に向けた動きも見せている。(c)AFP/Bukar Hussain