【6月25日 AFP】ウクライナ東部のスリャビャンスク(Slavyansk)郊外で24日、親ロシア派が指導者からの停戦指示に背いて政府軍のミル8(MI-8)ヘリコプターを撃墜し、乗っていた9人が死亡した。これを受けてペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は、自ら宣言した停戦を撤回する可能性を示唆した。

 ウクライナ軍の報道官によると、ヘリコプターは携帯式地対空ミサイルで撃墜されたという。この事件により、ロシアの影響力が大きいウクライナ東部の工業地帯で、独自の規定に従って行動しているとみられる一部の戦闘員らに対しては、ロシアおよび親露派指導部の統制が行き届いていないことがうかがえる。

 国連(UN)の発表とAFPの独自集計によると、同域における過去11週間の衝突で435人が死亡している。欧米諸国から支持されているポロシェンコ大統領は20日、一方的に1週間の停戦を宣言し、親露派も23日になってこれに合意したため、戦闘停止の交渉が進むのではないかという期待が膨らみつつあったが、それも断たれる恐れがある。

 ヘリが撃墜されたドネツク(Donetsk)と隣接するルガンスク(Lugansk)両州は、先月ウクライナからの独立を宣言している。(c)AFP/Nicolas MILETITCH with Dmitry ZAKS in Kiev and Simon STURDEE in Vienna