【6月24日 AFP】韓国軍の施設で銃を乱射して同僚兵士5人を殺害し逃走した後、自分を撃って拘束された兵長(22)の容体について24日、医師は「安定している」と語った。またこの兵長が自分の行動を後悔する「遺書」の詳細も明らかになった。

「イム」としか身元が明かされていないこの兵長は、数千人規模の韓国軍と24時間にわたるこう着状態の末、自分の胸のあたりを撃ち、拘束された。治療にあたった病院の医師は報道陣に対し「容体は安定しており、意識も完全にある。もうすぐ回復するだろう」と語った。

 イム兵長は21日、北朝鮮との軍事境界線近くにある陸軍の施設で自分の部隊の兵士に向かって発砲し、同僚5人が死亡、7人が負傷した。その後、ライフルと実弾を持って逃走。韓国軍と警察数千人が動員される大規模な追跡劇となったが、23日に軍事境界線から10キロほど離れた森林で身柄を拘束された。

 韓国国防省のキム・ミンソク(Kim Min-Seok)報道官によると、イム兵長は自らを撃つ前に「遺書」のようなメモを残しており、その中で「自分の家族と被害者の家族に謝罪し、自分のやったことに後悔を示していた」という。同僚に銃を向けた動機については書かれていなかった。陸軍筋によると、同兵長は軍の生活に適応できず、心理カウンセラーなどから特別な注意が必要と指摘されていたという。

 北朝鮮との軍事境界線付近の警備に就いている韓国軍兵士の多くは、2年間の徴兵期間中の若い兵士で、イム兵長や犠牲となった兵士、負傷した兵士の大半も徴兵された10代~20代前半の若者たちだった。(c)AFP