【6月24日 AFP】インド東部コルカタ(Kolkata)に住む高齢夫婦、パンナラル・チャタルジー(Pannalal Chatterjee)さん(81)とチャイターリ(Chaitali Chatterjee)さん(72)のサッカーW杯に対する熱情が芽生えたのは、今から30年以上も前のスペイン大会だった。

「これが最後かもしれない。でも今回もブラジルでW杯を生で観戦できるチャンスをもらえて、本当に幸せだ」パンナラルさんはブラジルに向かう経由地のシンガポールで、こう語った。夫妻のW杯生観戦は、今回で9大会目となる。

 パンナラルさんはAFPの電話取材に「ずっとブラジルでW杯を見ることを夢みていた。ブラジルはサッカーの聖地だからね」と話した。

 夫妻は長年のサッカーファンで、パンナラルさんは1970年代初めからインド東部でボランティアとしてサッカー運営に関ってきた。

 そんな夫妻が初めて、トップレベルのサッカーを目にしたのは1982年のことだった。英ロンドン(London)に滞在していた時に、知人がW杯スペイン大会のチケットを入手してくれたのだ。アルゼンチンの若きディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)のW杯デビューとなった大会だ。

「その時の試合観戦の興奮が最高で、この先のW杯は一つも見逃すまいと決めたんだ」とパンナラルさんはいう。

 それから4年後の1986年、アルゼンチン代表が決勝で勝利し、キャプテンのマラドーナがアステカスタジアム(Azteca Stadium)で優勝トロフィーを掲げたW杯メキシコ大会もチャタルジー夫妻は観戦した。

「アルゼンチンと西ドイツの決勝は忘れられない。3対2でアルゼンチンが優勝し、スタジアム中が、もの凄い興奮に包まれた」とパンナラルさんは回想する。

 妻のチャイターリさんは一貫してマラドーナのファンだが、夫のパンナラルさんは熱心なブラジルファンで、ブラジルの伝説的な元サッカー選手、ペレ(Pele)と一緒に写真を撮ったことが自慢だ。