涙のビジャ、スペイン代表のキャリアに終止符
このニュースをシェア
【6月24日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)で、スペイン代表としての歴代最多得点記録を更新したダビド・ビジャ(David Villa)は、23日に行われたグループBのオーストラリア戦で交代を告げられると、代表選手としての最後の瞬間をかみしめるように、涙を流してピッチを去った。
世界と欧州を制してきたスペイン代表だが、今大会ではグループリーグ敗退に終わり、最後はオーストラリア戦で3-0の快勝を収め、大会から姿を消した。
ビジャは、最後の出場となった代表戦97試合目の前半、通算59ゴール目を記録した。
しかし後半15分、ビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)監督は、ビジャにマタとの交代を命じた。チームメートから慰められたビジャだが、華々しい代表選手としてのキャリアに終止符を打ったビジャは、悲しげな表情を浮かべていた。
32歳のビジャは、「代表チームを本当にいとおしく思っており、常に僕の夢だった」と語った。
「55歳までプレーしたいところだけど、それは不可能だね。現実的にならなくちゃ」
ビジャは今季、アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)のスペイン1部リーグ制覇に貢献し、欧州リーグでのキャリアを締めくくったが、同リーグでレアル・マドリード(Real Madrid)とFCバルセロナ(FC Barcelona)以外のチームが優勝するのは、実に10年ぶりの出来事だった。
W杯終了後にオーストラリア・Aリーグのメルボルン・シティ(Melbourne City)で数か月間プレーし、その後は米メジャーリーグサッカー(MLS)に新規参入するニューヨーク・シティFC(New York City FC、NYCFC)に加入することが決まっているビジャは、この移籍でスペインのトップレベルから退く覚悟でいる。
「MLSに行くことを決めたので、数か月間はプレーから離れることになる。難しい状況だ」
残念ながらビジャは、スペインがオランダとチリに黒星を喫し、敗退が決まった後で最後のゴールを決めることになり、代表選手として有終の美を飾ることはできなかった。
しかし、ビジャは大会を勝利で締めくくるチームメートのプライドとプロ意識に称賛の言葉を述べている。
「代表チームでプレーすることは、いつも僕の喜びだった。最初の2試合で敗退が決まった後、僕らはすべてを出し切らなければならず、それをやり遂げた」
「先制点を挙げることができて幸せだった」
「もう少し頑張りたかったので、帰国するのはつらい。でも、少なくとも僕らはすべてを出し切った」
(c)AFP/Kieran CANNING