【6月22日 AFP】(訂正)中国南部・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)玉林(Yulin)で21日、夏至の日に犬の肉を食べる「犬肉祭」が開催された。この習慣を残虐だとして動物愛護家の活動家らが抗議したが、地元住民らはこれに強く反発し、犬肉の購入者が例年以上に増える現象も見られた。

 動物愛護の活動家らは、夏至に犬肉を食べる地元の習慣に抗議するため、数週間前から玉林に集まってきていた。玉林には夏至の朝に生きた犬を購入し、夕食に皆集まって犬肉を食べる習慣がある。

 活動家の「犬肉祭」への抗議は、地元住民からの反発を招いた。広東(Guangdong)省深セン(Shenzhen)出身で同市を訪れていた動物愛護を訴える活動家(50)はAFPの電話取材に、「今まで犬肉を食べることはなかったが、ばかげたことを言う人たちがいるので、今年は犬肉を買い、友人たちと分け合って食べることにした──そう話す住民が大勢いる」と説明した。

 この男性によると、市内にはビラの配布や横断幕を掲げて、犬肉を食べる習慣をやめさせようと呼び掛けていた人たちが数十人いたという。

 こうした抗議活動の一方で、今年の取引量は例年を上回っているとされ、通常はバイクで運ばれてくる犬肉が、今年はバン型の車で納入されるケースも見られた。

 中国紙「南方都市報(Southern Metropolis Daily)」が21日に報じたところによると、この前日には販売業者らが商品の犬を棒の先に吊るし、活動家たちに向かって「この犬を買って救ってやったらどうだ」と迫る場面もあったという。

 先週、同市を訪れた別の活動家は、住民の考え方を変えようというのは無駄な努力だったとAFPに述べている。

 また、十数人のグループで同市を訪れていた北部山西(Shanxi)省太原(Taiyuan)市の女性(35)も、地元の人たちに付け回され、二度と戻って来るなと追い払われたと話している。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、玉林当局は先ごろ、犬食を違法ではないと判断し、この問題に介入しない姿勢で、犬肉を提供する飲食店に対しては、看板に「犬」の文字があれば隠すよう勧めたという。(c)AFP