【6月22日 AFP】内戦下にあるシリアで、緊急に人道支援を必要としている人の数は全国民の約半数に当たる1080万人近くにまで急増している──国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長が21日、国連安全保障理事会(UN Security Council)への月次報告書で明らかにした。

 緊急に人道支援が必要な人の数は、前回の報告から17%増、約150万人増加しており、そのうち約640万人が国内避難民だという。

 また報告書によると、周囲を包囲されて(身動きがとれなくなって)いる24万1000人を含むシリア人470万人余りが、人道支援の提供が「困難または不可能」な地域で暮らしているとされ、前回報告書の推定350万人から増加している。

 報告書はさらに、イスラム教スンニ(Sunni)派の過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」によるイラク国内での攻撃拡大について、シリア情勢を一層悪化させると指摘した。

 2011年の内戦開始以降のシリアでの死者数は約16万人と推計されている。(c)AFP