儀式目的で虐待のアフリカの子どもたち、英に多数 国連委が警告
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【6月21日 AFP】国連(UN)の子どもの権利委員会(Committee on the Rights of the Child、CRC)はこのほど、アフリカの子どもたちが数百人規模で誘拐されて英国に連行され、英国で残虐な宗教的儀式に使われていると発表し、英国政府にこの悲惨な問題の対策により力を入れるよう要請した。
ノルウェー最高裁元判事で同委員会のカーステン・サンドバーグ(Kirsten Sandberg)委員長は、「誘拐された数百人のアフリカの子どもたちが、宗教儀式のために英国、特にロンドン(London)に連れて来られているという報道に憂慮している」と表明。「子どもたちはいわゆるブードゥー教の儀式に使われている。レイプや性的虐待も受けているが、摘発数は極めて少ない」と指摘した。
英警察は過去10年間に、魔術的な儀式の最中に拷問や虐待が行われたケースを多数確認しているとされる。この問題が注目されるようになったきっかけは、2000年にコートジボワール出身のビクトリア・クリンビー(Victoria Climbie)ちゃん(当時8)が、親族から魔女とみなされ殺害された事件だ。この事件の加害者らには終身刑が言い渡されている。
その1年後、やはり儀式で殺されたとみられるナイジェリア出身の少年の遺体が首都を流れるテムズ川(River Thames)で切断された状態で見つかった他、2010年にも、呪われているとして15歳の少年が親族から虐待を受け死亡している。
サンドバーグ氏は、儀式目的の子どもの人身売買はより大きな問題の一部にすぎず、毎年何千人もの未成年者らが性的搾取や労働のために英国に連れて来られていると訴えている。(c)AFP