【6月20日 AFP】欧米の支持を受けるウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は20日、同国東部の分離独立を主張する親ロシア派武装勢力の反乱を抑えるため、全面的な和平案を発表した。

 この和平案は、3日の間に2回行われたロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との電話会談を受け発表されたもので14項目からなる。

 首都キエフ(Kiev)の現地メディアは同日、ポロシェンコ大統領が正式に発表する予定の和平案のコピーを報じた。和平案は東部の武装勢力の即時武装解除を要求し、改憲を通じ権力の分散を実現すると約束している。また「深刻な犯罪」に関与していない分離独立派の戦闘員の刑事責任は追及しないとし、ロシア人およびウクライナ人の雇い兵が衝突地域から立ち去るためのルート提供を保障するとしている。

 しかし「現地自治体の業務再開」も要求しているが、これはキエフからの独立を一方的に宣言し、東部の10にも及ぶ自治体の庁舎などを占拠している分離派の指導者たちに拒絶されている。

 19日にポロシェンコ大統領は、政府側と親ロシア派側の両者合わせて少なくとも365人の死者が出ている戦闘を終結させるため、自らの案に合意を取り付けようと、ウクライナ東部の衰退した工業地帯から地元の指導者や実業家をキエフに招いている。

 一方、20日のウクライナ軍報道官の発表によると、東部での直近の衝突で兵士7人が死亡、30人が負傷した。(c)AFP/Dmitry ZAKS