【6月19日 AFP】中国は20日、領有権問題をめぐってベトナムの対立が深まっている南シナ海(South China Sea)に、2基目の石油掘削装置(リグ)を設置することを明らかにした。

 南シナ海では7週間前に、中国がベトナムとの係争海域に石油リグを設置したことから両国の対立が深刻化。ベトナムで反中デモが激化しているほか、リグ周辺の海域で中国とベトナムの船舶が衝突し双方が非難の応酬が続いている。

 18日には、中国の楊潔チ(Yang Jiechi)国務委員(外交担当)がベトナムのハノイ(Hanoi)を訪れ、グエン・タン・ズン(Nguyen Tan Dung)首相やファム・ビン・ミン(Pham Binh Minh)副首相兼外相と会談したが、平行線に終わった。

 中国海事局(China Maritime Safety Administration)の声明によると、新たな石油リグの移送が開始されたのは会談の行われた日だという。

 2基目の石油リグが係争海域に設置されるかどうかは不明。中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は19日、この石油リグは中国南端の「海南島(Hainan Island)沿岸海域」で操業を行う予定だと述べた。(c)AFP