【6月20日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)は19日、ウクライナ国境付近から今月初めに撤退を開始していたロシア軍が、少なくとも数千人規模で部隊を増派したとみられると発表した。

 訪英中のアナス・フォー・ラスムセン(Anders Fogh Rasmussen)NATO事務総長はロンドン(London)で「非常に遺憾な後退だと捉えている」と語り、「ロシアはウクライナへの介入強化という選択肢を残しているようだ」と指摘した。これに対しロシア側は口を固く閉ざしている。

 NATOによるこの指摘の直前には米国も、ロシアからロケット発射装置や戦車までもが国境を越えウクライナの戦闘地帯に侵入し始めていると批判したばかりだった。

 連日の衝突でこれまでに少なくとも360人以上が命を落としており、ウクライナの国境警備隊は同じく19日、ロシア国境付近で「反体制派武装勢力が攻勢を強めている」と報告。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米副大統領はロシアに対し、「ロシアがこれまで実行に移せていない、国境を越えた武器と戦闘員の流入と、親露派に対する影響力行使の両方の停止」を改めて要求した。(c)AFP/Dmitry ZAKS