【6月19日 AFP】ユーザーが送信できるメッセージは「Yo(よぅ)」の一言だけ――こんな携帯端末向けインスタントメッセージ(IM)アプリケーションの人気が急上昇中だという。アプリへの投資額は2か月間で100万ドル(約1億円)に上ったと、米メディアが18日報じた。

 このアプリをインストールし、友達を招待すると、相手に「Yo」という一言メッセージが音声とともに送られる。

 だが、「Yo」アプリ共同制作者のオル・アーベル(Or Arbel)氏は、シンプルすぎるように見えるこのアプリには多大な可能性が秘められていると語る。

「ただ『Yo』というだけのアプリだと思われているが、本当は違う」と、アーベル氏は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に語っている。「われわれとしては、コンテクスト(文脈や背景事情)を基本としたメッセージサービスと呼びたい。ユーザーは、メッセージが送られた時のコンテクストから相手が伝えたかった意味を理解できる」

「Yo」の成功を信じ、イスラエルのテルアビブ(Tel Aviv)での仕事をやめて米サンフランシスコ(San Francisco)にやってきたアーベル氏は、将来的な可能性の1つとして、ニュースサイトやブログの新規投稿を「Yo」で購読者に知らせるサービスを考えているという。

 熱狂的なサッカーファンも「Yo」の恩恵にあずかれる。ユーザー名「WORLDCUP」に「Yo」を送れば、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)でゴールが決まるたびに「Yo」というメッセージで知らせてくれるのだ。

 米アップル(Apple)のアプリケーション・ダウンロードサービス「App Store(アップストア)」での評判はおおむね好評だが、皮肉もみられる。「ニコラス・バトラー(Nicholas Butler)」と名乗るユーザーは、「Yoは人生の一部になった。Yoをダウンロードして以来、あらゆる人間関係が良くなった。髪の毛まで、また生えてきたよ」と当てこすっている。

 ニュースサイト「Think Progres」によると、開発に要した時間はわずか8時間という「Yo」だが、現在のユーザーは5万人、これまでに400万回の「Yo」が送信されたという。

 「Yo」は、iOSかアンドロイド(Android)OSを搭載した端末で無料でダウンロードできる。(c)AFP