【6月19日 AFP】クーデターで軍が全権を掌握したタイを出国したカンボジア人労働者の数は、18日までに22万人に達した。国境管理当局が明らかにした。カンボジア政府は、タイ軍事政権が外国人労働者の大量出国を引き起こしたと非難している。

 当局によると、この人数はタイ・カンボジア国境の複数の検問所を通過して今月6日~18日に帰国したカンボジア人労働者の合計。

 タイでは多くのカンボジア人労働者が主要産業を支えているが、正規の労働許可を取得していない不法就労者も少なくない。5月に成立した軍事政権が先週、外国人不法労働者を逮捕・国外退去処分にする方針を明らかにしたことから、大勢のカンボジア人労働者たちが国境を越え出国している。

 カンボジアの駐タイ大使とタイ外務省高官は17日、タイの首都バンコク(Bangkok)で協議し、取り締まりに関する「うわさ」を鎮めるとともに労働者問題に関するホットラインを設置することで合意した。

 しかし、カンボジアのサル・ケン(Sar Kheng)内相はその後、今回の危機的状況の責任はタイにあると主張。軍事政権の発足により、少なくとも8人のカンボジア人が死亡したほか、タイ・カンボジア両国が経済的な苦境に直面していると批判した。(c)AFP/Suy SE