【6月19日 AFP】スイス大衆紙ブリック(Blick)は18日、元フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバーのミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏がフランスの病院からスイスの施設へ移る際、意識があり目を開けていたと報じた。

 昨年の12月にスキー事故で意識不明の重体に陥っていたシューマッハ氏だが、現在はこん睡状態から脱し、16日に転院した。

 ブリック紙によると、シークレットサービスによる作戦行動のごとく専用の救急車で移動する間、シューマッハ氏はほとんど目を開けていたとしている。また、会話はできないものの、約200キロメートルの旅路の間に頭でうなずくなどして意思伝達を図っていたと伝えた。

 救急車を手配した会社は、世界的に有名な患者の身元について事前に知らされておらず、スタッフはシューマッハ氏と接触する際には携帯電話を持つことを禁じられたという。

 同紙はまた、仏グルノーブル(Grenoble)での170日間におよぶ入院生活で、シューマッハ氏の体重は大幅に減ったとも報じている。

 シューマッハ氏を搬送したと特定されたスイスの救急車会社の代表は、移動の関与については認めたが、それ以上の詳細を明らかにすることは拒否した。

 7度の世界王者に輝くシューマッハ氏の広報担当ザビーネ・ケーム(Sabine Kehm)氏は、グルノーブルの医師団に感謝の意を述べたあと、「今後のリハビリについては、大衆の目に触れることなく行われることをご理解ください」と求めた。

 シューマッハ氏の治療が行われている施設は、スイス最高の設備と高名な神経学の専門医がそろっている病院の1つで、場所もシューマッハ氏の妻コリーナ・シューマッハ(Corinna Schumacher)さんと二人の子どもが住む自宅に近いローザンヌ(Lausanne)市にある。(c)AFP