【6月18日 AFP】中国国営英字紙・環球時報(Global Times)は18日、同国の李克強(Li Keqiang)首相の訪英に合わせ掲載した社説で、中国が世界の大国として英国を上回ったとの軽蔑的な主張を展開した。

 李首相による3度目の訪英の最終日、同紙は「英国の中でも気高さを重視する人々にとって受け入れがたい事実だろうが、英国の国力は今や、中国と同列に並べることができない」「中国社会はますますくつろいで中英関係に対処している一方、英国人はこれ以上ないほど狭量になっている」と記した。中国を一党支配する共産党系の同紙はかねて、国粋的な論調を頻繁に展開している。

 デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は17日、両国が140億ポンド(2兆4300億円)規模の通商協定を締結したと発表。共同声明によると、中国はロンドンと英北部の都市を結ぶ英国の高速鉄道の他、原子力発電所などのエネルギー事業に投資する。これには中国から英国への原子炉の輸出も含まれる可能性がある。

 こうした投資傾向は、数十年前には経済力のなかった中国が、今では産業革命発祥の地へ先端技術を輸出する立場にあるという、劇的な変化を遂げたことを物語っている。

 中国国営新華社(Xinhua)通信によると、李首相は「中国は世界最大の発展途上国であり、英国は世界最初の工業国。よって両国間のさらなる協力は、両国だけではなく、世界全体に恩恵をもたらす」と述べたという。

 さらに他の通商関連では、英エネルギー大手BPが中国に約200億ドル(約2兆円)相当の液化天然ガスを供給する協定を結ぶと発表している他、英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)が中国国営エネルギー企業、中国海洋石油(China National Offshore Oil CorporationCNOOC)と包括的協力協定を結んでいる。