【6月18日 AFP】イスラエルは17日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)で5日前から行方不明となっている10代のイスラエル人3人の捜索を続けるとともに、3人を拉致したとみられているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の摘発を強化した。

 不明となった3人の捜索に投入された数千のイスラエル部隊は、前夜からヨルダン川西岸北部のナブルス(Nablus)や周辺地域でハマス摘発に着手しパレスチナ41人を逮捕したという。

 イスラエルは、大規模な3人の捜索活動とともに、これまでに約200人を逮捕しているが、そのほとんどがハマスのメンバーだ。

 未成年2人を含むイスラエル人生徒3人の行方が先週からわからなくなっていることについて、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はハマスの戦闘員が拉致したものと非難した。3人の捜索には時間がかかるとの見解を示している。

 イスラエル側は、3人が無事に帰還する責任はパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長にあるとし、ネタニヤフ首相はアッバス議長に電話で捜索活動への支援を要求した。両首脳の接触は2012年以来となる。

 3人が不明となっている件について、これまでのところ犯行声明などは出ておらず、ハマスはイスラエル側の非難を「ばかげている」と切り捨てた。

 一方、ガザ地区(Gaza Strip)では17日、過激なイスラム原理主義組織のイスラム聖戦(Islamic Jihad)を除いた全ての武装グループが「パレスチナ人によるあらゆる抵抗活動」への支持を表明し、ヨルダン川西岸でのイスラエルの「犯罪行為」に復讐すると表明した。(c)AFP/Hazel WARD