【6月18日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は17日、米国務省が主催して16日から2日間の日程で行われた国際海洋会議「私たちの海洋(Our Ocean)」でのビデオメッセージで、太平洋の広大な海域を海洋保護区に指定し、違法漁業の取り締まりに乗り出すと表明した。

 既存の海洋保護区「太平洋離島海洋国定記念物(Pacific Remote Islands Marine National Monument)」を拡大して世界最大の海洋保護区とする計画で、これにより300万平方キロの海域で漁業や掘削が禁止される。

 オバマ氏は同保護区の拡大のために大統領の行政権を行使すると約束。また米政府に対し、漁獲物の闇取引を取り締まるための「国家的戦略」を策定するよう命じたことを明らかにした。

 ホワイトハウス(White House)は同保護区について、「気候変動と海洋酸性化の影響を最も受けやすい熱帯のサンゴ礁やそれに付随する海洋生態系」が存在すると指摘した上で、保護区の拡大に当たっては、漁業関係者や科学者、海洋保全の専門家に意見を求めるとしている。

 今回の会議に参加した約80か国は、海洋汚染や酸性化、乱獲に対応する行動計画策定のため合計で18億ドル(約1840億円)の拠出を表明した。中でもノルウェーは、気候変動対策費として自国だけで10億ドル(約1020億円)の拠出を表明した。

 米俳優のレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)さんも会議に参加し、海の環境の保全活動のために自身が設立した財団から700万ドル(約7億2000万円)を拠出すると発表した。(c)AFP/Jo Biddle