武装勢力がイラク北部の要衝を制圧、バクバにも攻撃
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【6月17日 AFP】イラク北部の戦略的要衝でイスラム教シーア(Shiite)派住民が多数を占める都市タルアファル(Tal Afar)を攻撃していた武装勢力は、17日までに同市の大部分を制圧した。治安部隊や戦闘に加わった市民が、武装勢力と交戦する中、数十人の死者が出ている。
州議会副議長のヌリディン・カバラン(Nuriddin Qabalan)氏によると、ニナワ(Nineveh)州タルアファルと周辺地域の大部分が現在、武装勢力の支配下にある。ところどころ武装勢力に対する抵抗が続いている場所はあり、空港の一部にはイラク軍兵士や警察官、住民らが留まっている。
これまでに民間人50人が死亡した他、武装勢力と治安部隊の両者にも数十人の死者が出ているとみられる。州議会の安全保障委員会を率いるモハメド・バヤティ(Mohammed al-Bayati)氏によれば、武装勢力側には500~700人の戦闘員がいるという。
前週ニナワ州の州都でイラク第2の都市モスル(Mosul)を掌握した後、素早い進撃で同州の大大部分と周辺の3州の一部を制圧した武装勢力は、前夜から17日にかけて、イラク中部ディヤラ(Diyala)州の州都バクバ(Baquba)も攻撃した。一時は同市の一部も占領されたが、治安部隊が撃退したと軍や警察は発表している。
バクバからイラクの首都バグダッド(Baghdad)までは南へわずか60キロ。武装勢力の進撃開始以降、戦闘が起きた都市の中で首都に最も近い。
攻撃を率いているのは、イスラム教スンニ派の過激派「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant、ISIL)」に加え、処刑されたサダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領の支持者たちも含まれているとされる。(c)AFP