【6月17日 AFP】北朝鮮は海上攻撃能力を向上する目的で、ロシアの海上発射型巡航ミサイルの複製を保有している可能性があると、米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)のシンクタンク、米韓研究所(US-Korea Institute)が17日、明らかにした。

 動画共有サイト、ユーチューブ(YouTube)などのソーシャルメディアで拡散した北朝鮮のプロパガンダ動画から、一瞬だが艦艇から発射されるミサイルが確認できたという。

 米韓研究所のウェブサイト「38ノース(38 North)」上で、軍縮研究が専門のジェフリー・ルイス(Jeffrey Lewis)氏は、動画のミサイルを1980~90年代に開発されたロシアのシースキミング対艦巡航ミサイル「KH-35」の複製と特定し、北朝鮮の軍備の「新たな不安定要因となる可能性がある」と指摘した。

 射程や積載能力は、大量破壊兵器の運搬手段となるミサイルの拡散防止を目的とする国際的な取り組み「ミサイル技術管理レジーム(Missile Technology Control RegimeMTCR)」が定めた値を下回るが、いかなる巡航ミサイルも北朝鮮への輸出は国連(UN)制裁に違反する。

 ジェームズ・マーティン不拡散研究センター(James Martin Center for Nonproliferation Studies)の東アジア局長を務めるルイス氏は、「(ミサイルを)北朝鮮がロシアから直接購入した可能性が最も高いが、北朝鮮がミャンマーなどの第三国から入手したことも考えられる」と語った。(c)AFP