【6月17日 AFP】ケニア西部の沿岸の町ムペケトニ(Mpeketoni)で15日夜、警察署やホテルが武装集団に襲撃され、少なくとも49人が殺害された事件で、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のソマリアのイスラム過激派組織「アルシャバーブ(Shebab)」が16日、犯行声明を出し、観光客や外国人に対し、ケニアから離れるよう警告した。

 目撃者の話によると襲撃事件では、数台の車に分乗して現れた50人ほどの武装集団が警察署を攻撃した後、バーやホテルでサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)をテレビ観戦していた人々などを次々と殺害した。

 その際、女性と子ども、イスラム教徒は標的とされず、キリスト教徒のみが殺害されたという。男性らにはイスラムの祈りを言えるか聞き、イスラム教徒かどうかを判別していたとされる。

 犯行声明を出したアルシャバーブは、襲撃はソマリア国内のケニア軍駐留と「イスラム聖職者に対する抑圧、脅迫と裁判なしでの処刑を通じたケニア政府による残酷なイスラム弾圧」への報復だとした。

 また、ケニアは「戦場」となったと宣言し、観光客や外国人に対しケニアには立ち入らないよう求め、ケニア国内にとどまるならば身の安全は保証しないと警告した。

 ソマリアとの国境から100キロほどの距離にあり、観光客が多く訪れるラム(Lamu)島にも近いムペケトニの市内は、アルシャバーブの襲撃から一夜が明け、ホテルや食堂、銀行、政府庁舎などが焼け焦げた建物をさらしている。

 今回の襲撃事件は、昨年9月に首都ナイロビ(Nairobi)のショッピングモールがアルシャバーブに襲撃されて以来、同国で起きた最悪の事件となった。(c)AFP/Aymeric VINCENOT