【6月17日 AFP】ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)のブラジル日本文化福祉協会(Sociedade Brasileira de Cultura Japonesa e de Assistencia Social)では14日夜(日本時間15日朝)、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)、日本対コートジボワール戦のために集まった約300人が、「ニッポン、ニッポン」の声援を送った。一大コミュニティーをなす日系ブラジル人たちにとってこの夜は、黄色と緑のブラジルのユニホームではなく「サムライブルー」(日本代表)のユニホームを着るときだった。

 本田圭佑(Keisuke Honda)選手の写真がプリントされたTシャツを着たマッサージ・セラピスト、イボ・トビオカさん(29)は「決勝はブラジル対日本だといい」と話す。しかしリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)でその夢が現実になったとしたら、どちらを応援するかははっきりしている。「ブラジルだよ」

 セレソン(Selecao、サッカーブラジル代表の愛称)がブラジル国民だという意識の象徴だとすれば、サムライブルーに声援を送ることは、先祖の故郷とつながり直す方法だ。

 ブラジルに暮らす日系人は約180万人と世界で最も多く、そのうち約60%がサンパウロに集中している。日本からの移民第一波がブラジルに到着したのは1908年。両政府の合意の下、貧困を逃れるために渡った人々はコーヒーの大農園で働いた。

 文化福祉協会では、こうしたつながりを知る日本代表チームが制作した選手5人によるメッセージビデオも流された。キャプテンの長谷部誠(Makoto Hasebe)選手は、日本代表を「第2のチーム」とする日系ブラジル人のサポートに大きく励まされていると語った。