【6月14日 AFP】スウェーデンの最高行政裁判所は13日、パソコンやタブレット端末、携帯電話などインターネットに接続する機器は、公共放送の受信料徴収の対象にはならないとの判決を下した。

 同国で公共放送の受信料徴収を担う「Radiotjaenst」は昨年2月、公共放送はインターネットでも視聴できるとして、1年で2076クローナ(約3万2000円)の受信料の徴収を、テレビは持っていないがインターネット接続機器は持っている世帯にも拡大した。

 これを受けてテレビを持っていない1人の個人が行政裁判所(三審制)に提訴。裁判は最高行政裁まで進み今回の判決が下された。

 スウェーデンの法律では、テレビ放送を受信する装置の所有者は全員、その装置が放送の受信以外に使用できるものであっても、受信料を支払わなければならないとされていた。

 しかし最高行政裁は、「インターネット接続機能があるコンピューターはテレビ放送の受信を意図したものではない」として、これまでの法解釈は厳格すぎるとの判断を示した。

 この判決を受け、Radiotjaenstはウェブサイトで、インターネット接続機器に対する受信料徴収を即時中止すると発表したが、以前の判決では受信料の徴収は有効とされていたため、今回の判決が下された13日までに徴収した受信料の返金はしないとしている。

 Radiotjaenstが2013年に徴収した受信料は71億クローナ(約1090億円)に上り、同国の公共テレビ・ラジオの運営資金として用いられた。(c)AFP