フェラーリ、F1から撤退の可能性 米紙報道
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【6月14日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)のルカ・ディ・モンテゼーモロ(Luca di Montezemolo)会長は、チームが「機能していない」ためにF1から撤退し、スポーツカーレースに活動の場を移すかもしれないと、13日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal、WSJ)に語った。
スクーデリア・フェラーリ(Scuderia Ferrari)はF1を主催する国際自動車連盟(International Automobile Federation、FIA)と長年にわたり論争を続けてきており、モンテゼーモロ会長はF1の最近のルール変更に対し不満を表していた。
「F1は機能していない」とモンテゼーモロ会長はイタリア・マラネロ(Maranello)で行われたWSJのインタビューで語った。
「人々は、わくわくするためにレースを見ているのだということをFIAは忘れている。効率性見ているわけじゃないだろう?」とモンテゼーモロ会長は不満を漏らした。
新V6ターボハイブリッドエンジン導入で騒音と環境汚染を抑えるなど、FIAの新しいルールはモータースポーツを環境に優しく、コストを低減してきた。
しかし、モータースポーツ界を代表するブランドのフェラーリを率いるモンテゼーモロ会長は、最近の規制はグランプリでできる体験において重要な要素であるエンジンのごう音を消し去ってしまうと不満を漏らした。
「人々はレースを娯楽のために見ているのだ。ドライバーが燃料やタイヤをセーブするところを見たいわけじゃない。あちらこちらで行われる競り合いを見たいのだ。F1はスポーツであるのはもちろんだが、同時にショーなのだ」とモンテゼーモロ会長は述べた。
モンテゼーモロ会長はさらに、シーズン中のエンジン開発禁止に対してかみついた。「その上、私たちはエンジンに触れることもできない」
その状況の中、フェラーリは今季のコンストラクターズ争いで3位につけている。
フェラーリは、2004年から2010年までモンテゼーモロ氏が会長を務めたフィアットグループオートモービルズ(Fiat Group Automobiles)の子会社。
1950年からフォーミュラワンに参戦しているフェラーリは、過去221回のグランプリ優勝と共に、ドライバーズタイトル15回、コンストラクターズタイトル16回を獲得している。
フェラーリはル・マン24時間耐久レース(Le Mans 24-hour race)といった耐久レースにも参戦していたが、1973年にフェラーリの創設者、エンツォ・フェラーリ(Enzo Ferrari)氏がF1のみに集中するという選択をした。
モンテゼーモロ氏はF1撤退についてはまだ何も決まっていないと強調したが、フェラーリは2020年にも耐久レース参戦が可能になるとも示したと同紙は報じている。
「われわれはスポーツカーレースとF1の両方に参戦はできない。それは不可能だ」とモンテゼーモロ氏は述べている。(c)AFP