イラク軍基地から米国人が退避、イスラム武装勢力の進撃に備え
このニュースをシェア
【6月13日 AFP】イラクでイスラム武装勢力が首都バグダッド(Baghdad)に向かって進撃している事態を受け、バグダッド郊外にあるバラド(Balad)空軍基地でイラク政府に協力している米国の各企業は12日、米国人数百人を退避させた。
米国防省の関係者は「首都の北方80キロにあるバラド空軍基地から、安全上の理由で、米国の請負業者数百人をバグダッドへ退避させた」と認めた。
米国務省のジェン・サキ(Jen Psaki)報道官も「周辺地域の安全上の懸念から、イラク政府との契約の下で米国の対外有償軍事援助(Foreign Military Sales、FMS)プログラムを支援している米国市民は、彼らが所属する企業によって一時的に移動させられていることを確認している」と発表した。
今週9日にイラク第2の都市モスル(Mosul)で攻撃を開始した武装勢力は、スンニ(Sunni)派のアラブ系住民が多数を占めるイラク北部から中北部の広大な地域を制圧し、首都バグダッドに急速に接近している。
しかしサキ報道官は、バグダッドにある米大使館は業務を継続していると強調し「米大使館や米領事館の人員配置の状況に変更はない」と語った。
米国防省の関係者によれば、バラド基地からの退避に対処しているのは民間企業で、米政府は関与していない。(c)AFP