【6月13日 AFP】韓国の旅客船セウォル(Sewol)号の沈没事故で死亡した高校生の母親が、3000万ウォン(約300万円)の損害賠償を求めて、国と運航会社「清海鎮海運(Chonghaejin Marine)」をソウル中央地方裁判所(Seoul Central District Court)に提訴した。同地裁が13日、明らかにした。この事故で犠牲者の遺族が訴訟を起こしたのは初めて。

 原告は、安山(Ansan)市の檀園(タンウォン)高等学校(Danwon High School)の生徒1人の母親。無理な増築で船の復元力が損なわれ、過積載によってバラスト水が不足していたとの初期の事故調査結果を基に、「清海鎮海運は安全教育を怠り、国の運航管理と認可はずさんだった」と訴えている。

 300人近くが犠牲になり韓国社会に衝撃を与えた4月16日のセウォル号沈没事故では、乗客乗員476人のうち325人が檀園高校の生徒だった。

 原告側は、今後の捜査と起訴された乗員の刑事訴訟の展開次第では、賠償要求額を最高6億ウォン(約6000万円)まで引き上げる可能性もあると述べている。(c)AFP