【6月13日 AFP】既存の宗教を揶揄(やゆ)することを目的の1つとして創始された団体「空飛ぶスパゲティモンスター教会(Church of the Flying Spaghetti Monster)」が、正式な宗教団体としての認定をオーストリア当局から拒否されていたことが分かった。

 オーストリアの宗教当局は11日、同団体がキリスト教でないことを理由に、正式な「教会」とは認められないとの判断を下した。

 同団体オーストリア支部の「上級マカロノ」を務めるフィリップ・セイガー(Philip Sager)氏は声明の中で、オーストリア宗教当局の決定を残念に思うものの、当局から決定を直接聞いていないので、それ以上のコメントはできないと述べている。

 空飛ぶスパゲティモンスター教会は、既存の宗教教義を笑い飛ばし、学校で天地創造説を教えることに異議を唱えるために、米国で創設された。現在は数か国に支部がある。

 同団体によると「空飛ぶスパゲティモンスター」は、同団体の支持者が「信仰」する風刺的な創造主。この運動は別名を「パスタファリアニズム(Pastafarianism)」とも言い、支持者は「パスタファリアン(Pastafarian)」と呼ばれている。

 この「創造主」が初めて登場したのは2005年に学生のボビー・ヘンダーソン(Bobby Henderson)さんがカンザス(Kansas)州教育委員会に送った公開書簡の中だった。

 ヘンダーソンさんは、知性ある存在が世界の設計に関与したとする天地創造説の一種「インテリジェント・デザイン(Intelligent Design)」説を学校で教えることを決めた同教育委の決定に抗議。空飛ぶスパゲティモンスターが宇宙を創造したというヘンダーソンさんの信仰も、同じく科学的な根拠がないインテリジェント・デザイン説と同程度に根拠があると言えると主張した。(c)AFP