【6月13日 AFP】中国で昨年1年間に行われた環境汚染関連の摘発による逮捕者数が、過去10年間の合計人数を上回っていたことが分かった。国営新華社(Xinhua)通信が12日、報じた。

 中国当局は、環境法令違反の摘発を大々的に宣伝しており、その成果を示そうと懸命になっている。新華社通信によると、昨年の環境法令違反による逮捕者は200人、閉鎖された企業や工場は3500に上った。だがこれは、大気汚染や水質汚染、ごみ廃棄の問題に人口13億人が悩まされている国の統計としては、まだ比較的控えめな数字と言える。

 新華社通信は、周生賢(Zhou Shengxian)環境保護相が発表した統計をもとに、環境当局が2013年に706件の違反を警察当局に報告したと伝えた。これは、過去10年間の報告件数を合計した数よりも多いという。

 中国は4月、25年ぶりに環境保護法を改正。環境法令違反者への罰則の強化を盛り込み、違反者の「名を公表」することを約束した。改正法は15年1月1日に施行される。

 中国は、過去30年の急速で無制限な工業化の影響が大きな負担となり始めている。環境問題に対する抗議行動が増加していることも中国当局は認識している。

 最近の複数の研究によれば、中国の土壌汚染は国土の約3分の2にまで及び、地下水は60%がそのままの飲用はできないほどに汚染されていた。(c)AFP