【6月13日 AFP】米アリゾナ(Arizona)州フェニックス(Phoenix)で11日夜、何者かがカトリック教会に侵入し、司祭の1人を射殺、もう1人の司祭を負傷させ逃走した。警察は現在も容疑者の行方を追っている。

 容疑者は11日午後9時半(日本時間12日午後1時半)ごろ、同市内にある「慈しみの母教会(Mater Misericordiae Mission)」に侵入。負傷したジョゼフ・テラ(Joseph Terra)司祭が、致命傷を負ったケネス・ウォーカー(Kenneth Walker)司祭を看取りつつ警察に緊急通報した。

 2人の司祭はこれまで4年間、この教会に住んでいた。警察によると、テラ司祭はウォーカー司祭に、臨終の者に対する最後の聖餐(せいさん)を行うことができたという。

 フェニックス警察のダニエル・ガルシア(Daniel Garcia)署長は「有力な物的証拠」があるものの目撃者はなく、侵入者の数も不明としており「強盗だという通報を受けたが(事件の性格を)決めつけないよう慎重にしたい」と述べた。

 米国では銃による事件が頻発しているにもかかわらず銃規制が比較的緩いままで、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が、米国は「内省」が必要だと警告したばかりだった。

 最近も、5月23日にカリフォルニア(California)州の大学周辺で精神に問題を抱えた学生が6人を殺害し自殺、6月5日にはワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)の大学での発砲により1人が死亡、2人が負傷する事件が発生。さらに先週には、ラスベガス(Las Vegas)で反政府民兵組織とつながりがあったとみられる夫婦が警官2人と市民1人を射殺、そしてオレゴン(Oregon)州の高校で少年が14歳の生徒を射殺する事件が続けざまに起きている。(c)AFP