【6月12日 AFP】ドイツ国内で最も深く長い洞窟を調査中だった洞窟探検家の男性(52)が、地下約1000メートルの地点で重傷を負い身動きが取れなくなっており、懸命の救出活動が進められている。

 事故が起きたのは、南部バイエルン(Bayern)州のオーストリアとの国境沿いにあるリーゼンディンク(Riesending)洞窟。

 地元山岳救助隊は10日、今週末までの救出を目指すと発表。独DPA通信によると、3~5日をかけて同洞窟の中の5か所の地点でビバークしながら男性を少しずつ移動させ、地上に引きあげる計画だ。

 男性は、8日朝から他の2人と共に洞窟の中で調査を行っていたところ、崩れ落ちてきた岩で頭と胸を負傷した。同行していたうちの1人が自力で洞窟から脱出して救助を要請。それから約12時間後の翌9日に救急救助隊員4人が現場に到着したという。

 洞窟の周辺地域には、救助活動の支援のため、合わせて約200人の救助隊員が派遣されている。救出活動に関わるクリストフ・スペック(Christoph Specht)医師は同国のニュースチャンネルNTVに対し、「洞窟の中は非常に狭く、救出は難航するだろう。こうした状況での救出方法を理解している人物は、国内に数人しかいない」と話した。

 迷路のように複雑なリーゼンディンク洞窟の調査は、2002年に開始されたばかり。長さは19キロ以上あり、最も深いところでは地下1148メートルに達することが分かっている。(c)AFP