【6月11日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)開幕が迫る中、在日ブラジル大使館ではW杯を記念したパビリオンの建設が進んでいる。

 パビリオンはプリツカー賞(Pritzker Architecture Prize)の2014年の受賞者に選ばれた建築家の坂茂(Shigeru Ban)氏によるリサイクルの紙管を使った建築物。当初は9日に完成予定だったが梅雨入りしたここ数日の降雨により作業が一時中断し、10日に記者団が招待された際にはまだ作業が進められていた。

 だが13日にオランダのアムステルダム(Amsterdam)でプリツカー賞の授賞式に出席する坂氏は、同大使館で記者団の取材に平然と応じていた。パビリオンは11日にはオープン予定で、W杯期間中は多くのアトラクションがここで行われることになっている。

■紙管で被災地に仮設建築

 紙管といったすぐに調達できる建材を使う坂氏は、主に被災地での仮設住宅の建築で知られる。

 代表的なものには、フィリピンを昨年襲った台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)の被災者向けの仮設住宅や、1995年の阪神・淡路大震災の際の仮設教会、大地震で被災したニュージーランド・クライストチャーチ(Christchurch)の仮設の聖堂などがある。2008年の四川大地震では被災地に小学校の仮設校舎を紙管を使って建設している。

 日本人のプリツカー賞受賞は2013年の伊東豊雄(Toyo Ito)氏に続いて2年連続となる。(c)AFP/Jacques LHUILLERY