【6月10日 AFP】香港(Hong Kong)当局が、市内の同性カップルが英国領事館で結婚するための許可を拒否していたことが分かった。英当局が9日、明らかにした。同性愛者の権利擁護団体からは激しい批判の声が上がっている。

 英外務連邦省は先週、同性婚が合法化されていない国・地域の英国人とその同性パートナーについて、現地の在外公館による婚姻届の受理を認めると発表。ただしその条件として、地元当局の許可が必要としていた。

 だが、同性愛者の人権問題でしばしば批判の的となってきた中国、ロシア、アゼルバイジャンに加え、カトリック教会の影響力が強いフィリピンがこの許可を出したのにもかかわらず、香港当局が同性婚に異議を唱えていたことが、英総領事館がAFPに送付した声明で明らかになった。

 これを受け、地元の性的少数者団体からは怒りの声が上がっている。同性愛者の権利擁護団体「ピンク・アライアンス(Pink Alliance)」のナイジェル・コレット(Nigel Collett)氏はAFPに「ロシアや中国は、自国民が気にもしないような問題に対してより良識ある見解を示したのに対し、香港は自らを笑い者にしている」と批判した。

 この件に関する香港政府からのコメントは得られていない。

 同性婚が非合法ながらも在外英公館での同性婚を許可した国は、オーストラリア、日本、チリ、ボリビア、セルビアなど20か国以上に上る。(c)AFP