【6月10日 AFP】(写真追加)米ラスベガス(Las Vegas)で8日に警官2人と市民1人を射殺した後に自殺した男女は、警察を「抑圧者」とみなしていたのに加え、反政府の武装市民集団(ミリシア)とつながりがあったとみられることが分かった。当局が9日、発表した。

 男女は、ジェラド・ミラー(Jerad Miller、31)と妻のアマンダ・ミラー(Amanda Miller、22)両容疑者と特定された。ケビン・マクマヒル(Kevin McMahill)副保安官は、「両容疑者が白人至上主義に似た思想を持っていたのは間違いない」と述べた。

 同副保安官によると、アマンダ容疑者と共に市内のピザ店に入ったジェラド容疑者は、ボックス席で昼食をとっていた警官らに近づくと拳銃を取り出し、うち1人の後頭部に銃弾を1発撃ち込んだ。また続けて、とっさに反応したもう1人の警官の首付近を撃ち、致命傷を負わせた。両容疑者はさらに警官らに複数の銃弾を撃ち込んだ後、ボックス席から引きずり出した。

 両容疑者は警官1人の体の上に米国独立革命時代の旗と「かぎ十字」を置いた。ジェラド容疑者はさらに警官の体の上に「これは革命の始まりだ」と書かれたメモを置いたという。

 犯行の動機は現在も調査中だが、同副保安官は「両容疑者が過激思想や白人至上主義と似た思想を持っていたことは疑いがない」と話している。だが、「現時点では両容疑者が白人至上主義者であったり、ナチス(Nazis)運動と関わりがあったりしていたとは、必ずしも考えていない」といい、「両容疑者は、政府と法執行機関、そしてそれを支持する人々を、ナチスと同一視し、法執行機関を抑圧者とみなしていたとみられる」という。