米・イラン、核問題めぐる直接協議を開始
このニュースをシェア
【6月10日 AFP】イランの核問題をめぐり、イランと米国の高官による直接協議が9日、スイスのジュネーブ(Geneva)で2日間の日程で始まった。初日を終え、イラン側の交渉責任者は「建設的」だったと評価したのに対し、米側は来月20日の交渉期限を控え厳しい選択を迫られるという見方を示した。
イランと主要国は核問題での合意に至るべく努力を続けているが、イランと米の2国間関係の緊張によってこれが損なわれるのではないかという懸念が持ち上がっている。非公開で行われる今回の直接協議は、双方が両国の共通基盤を見出そうとしている努力の表れとみられる。
米国務省のマリー・ハーフ(Marie Harf)副報道官は、「率直に言って現実的な話し合いが尽くされたとはいえない」とした上で、「難しい選択をしていく必要があるが、7月20日という期限にしっかりと焦点を合わせている」と述べた。
一方イラン側の交渉責任者であるアッバス・アラクチ(Abbas Araqchi)外務次官は同日の協議についてイラン学生通信(ISNA)に対し、「前向きなムードで進められ、建設的だった」と語った。
国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国(米英中仏露)にドイツを加えた6か国、いわゆる「P5+1」の枠外で、イランと米国が直接公式協議を行ったのは1980年代以来。
イランは、同国経済に打撃を与えている国際社会からの制裁解除に向けて大きく前進することを目指している。一方主要国側は、イランが主張している平和的な原子力計画が原爆製造の隠れみのにされることのないよう、確約を引き出したい狙いがある。
昨年11月の暫定合意を永続的な合意にすることを目指した交渉の期限は、来月20日に迫っている。国営イラン通信(IRNA)は、アラクチ氏が9日に「もし実現しなければ、交渉を継続できるよう(11月の暫定)合意をさらに6か月延長するという最終手段に訴えざるを得なくなる」と話したと伝えている。延長の可能性を示唆する声は、すでに双方から聞かれている。(c)AFP