【6月7日 AFP】先月25日に実施されたウクライナ大統領選で当選したペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)氏(48)が7日、旧ソ連からの独立以降、5人目となる同国の大統領に就任した。

 大統領選で有効票の54.7%を獲得して勝利した富豪のポロシェンコ氏は、首都キエフ(Kiev)にある最高会議(国会)で行われた就任式で、ロシアとの間で危機的な状況が続く中、ウクライナの統一を維持すると決意を示した。

 米国のジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領も出席した就任式でポロシェンコ氏は、ウクライナ語とロシア語で演説し、「ウクライナの統一を維持、強化するため、私は大統領に就任する」と述べた。また、大半が親ロシア派の武装集団に掌握されているウクライナ東部のドンバス(Donbass)地方の住民に対し、行政の分権化を進めること、ロシア語の自由な使用を保証することを約束した。

 ただし、欧州寄りの立場であることやクリミア半島(Crimean Peninsula)の情勢については、ロシアに対して妥協する考えがないことを強調。「クリミアは過去も未来も、ウクライナの領土だ」と述べ、「ノルマンディー(Normandy)で、ロシアの指導者にそのことを明確に伝えた」と付け加えた。

 ポロシェンコ氏は6日、フランスで開かれた、第2次世界大戦(World War II)中のノルマンディー上陸作戦の決行日「Dデー(D-Day)」から70周年の記念式典に出席し、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談していた。(c)AFP